ダニエル・クレイグ主演”マクベス” 初日公演を見てきました

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ブロードウェイショーは有名俳優が主演を務める短期間の公演が結構多いですね。
過去で言うとダニエル・ラドクリフのThe Lifespan of a Fact(2018年)、今年はヒュー・ジャックマンのMusic Manも夏まで上演しています。

昨日3/29に幕開けしたのが、ヒュー・ジャックマンとルース・ネッガが主演のマクベス(Macbeth)です。

マクベスとは?

マクベスはシェイクスピアによって書かれた戯曲。
シェイクスピアの戯曲の中でも一番短く、数々の舞台化や映画化がなされています。

ストーリーとしてはある意味単純。
勇猛果敢だが小心な一面もある将軍マクベスが3人の魔女から『あなたは王になる』と予言されたことから、妻と謀って主君を暗殺し王位に就くが、内面・外面の重圧に耐えきれず錯乱して暴政を行い、貴族や王子らの復讐に倒れる…という話。
この3人の魔女が様々な予言をするのですが、それが物語のキーとなってきます。

ブロードウェイではないですが、チェルシーでコロナ前まで『Sleep No More』というマクベスを題材とした体験型ショーが行われていました。
5階建ての廃業したホテル(という設定)1棟全体が舞台となっており、客席はありません。
演者はホテル中を縦横無尽に走り回りながら演技をし、観客はマスクをかぶってアノニマスとしてそれを間近で見れるのです。
どの部屋に行っても良し、どの俳優を追いかけても良し、という観客次第のショーで、私は複数回行ってようやくストーリーを理解できるようになりました笑

このタイトル『Sleep No More』も、魔女の予言としてダニエル・クレイグのマクベス内で多用されています。

マクベス初日公演、どうだった?

夫が007の大ファンなので、私も一緒に見ているうちにとても好きになったダニエル・クレイグ。
昨年公開の007 No time to dieを最後にジェームズ・ボンド役を降りたあとということもあり、今般のマクベスとはとても注目されています。

劇場は48th Streetの8thとブロードウェイの間にあるLongacre Theaterです。

市中はマスク着用義務が撤廃されましたが、ブロードウェイはマスクの常時着用が求められています。
上演前に『Masks Up』という看板を持ったスタッフの方が『初めての公演にお越し下さりありがとうございます。昨日までリハーサルしてたので今日が本当に初お披露目です。役者・そして皆さんの健康を守ってブロードウェイショーが無事に続けられるよう、マスクの着用をお願いします』と言っていたのが印象的でした。

私はオーケストラの前から4列目という前方席をとれたのでダニエル・クレイグの手のシワまで見れて、正直そのダンディさに見とれてストーリーに集中できませんでした笑

ブロードウェイと言うと歌って踊ってなイメージですが、マクベスは歌なしのストレートプレイで、挿入曲もほぼありません。

マクベスは昔の戯曲で王様や魔女が出てくることから、ステレオタイプな古めかしい魔女や王の衣装を想像しますが、開演してびっくり。
みんな私服のような格好で、誰が何役だか衣装では全く判別できません

しかも、戯曲では男性となっている役を女性の俳優が演じていたり、兄弟であるはずの役柄を人種がバラバラの役者が演じていたりと…
最近のブロードウェイの風潮としてはとても素晴らしい試みだと思うのですが、自分の中でのステレオタイプを取っ払って、かつセリフをよーーく聞き取らないと非常に理解しづらいと感じました。

また、主役の2人を除き、同じ衣装を着たままで1人何役も演じるため、少しでもボーーっとしていると『あれ??この人さっき亡くなった役じゃなかった???』と混乱することになります笑

ただ、さすがダニエル・クレイグ。
007のかっこいいクールなイメージとは真逆で、マクベスの小心者ぷりがとても上手でした。

ディレクターのサム・ゴールドは戯曲や昔上演されたブロードウェイを新しく生まれ変わらせるのが得意な方なので、おそらく戯曲のイメージを塗り替えようとあえてしているのだと思います。

そしてマクベスは亡霊が出てきたり血みどろの争いをするのでグロテスクなものをある程度は想像していましたが、思っていたより怖い演出があったり、血糊のクリーニングが心配になるほどのグロテスクな演出が多いので苦手な人は要注意です。

まとめ

上演時間はまさかの3時間(途中休憩15分)と長めです。
夜公演は20時開演が多いので、終わると23時を過ぎていました。

ダニエル・クレイグということで見たい!と関心を持つ方が多いとは思いますが、ブロードウェイの華やかな舞台をイメージするとがっかりすると思います。

また、わかりやすい演出でもないので、英語力が高くないと正直厳しいです。(隣席にいらした方と少しお話したのですが、英語が苦手とのことで序盤から寝てしまった…と落ち込んでらっしゃいました。)

マクベスに馴染みがあってストレートプレイがお好きだったり、ダニエル・クレイグへの相当熱い思いがある方にはとてもおすすめです。

私個人としては…ブロードウェイは歌や踊りのうまい俳優を見るのが好きで元々ストレートプレイは苦手なので笑、次はないかな~という感想です。(好きな演目は5回以上見るので)
でもチケットをすでに取ってしまっているので来週もまた見に行きます。

以上、マクベスを見に行くか悩んでいる方向けに正直な感想をシェアしました。

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